●5年後、10年後のアイ・シー・エフはどうなっていると思われますか?
私自身、会社経営をはじめた時点から、「2兆円ぐらいの会社にしよう」という漠然とした感覚がありました。22歳の時からそれくらいの会社はできるだろうなと思っていて、あとは実際になれるように頑張ろうという感じです。
私にとっての企業経営の価値観は「人が育つこと」です。また、もちろん会社は株主のものだと思っています。その中で世の中には、結果を出す考え方があって、「正しく思い、正しく結果の出るように考えて、正しく行動すれば、正しい結果が出る」のです。
社訓にもありますが、とうもろこしが欲しければとうもろこしの種をまいて、きちんと水をあげて、日を浴びて…とやれば、とうもろこしが収穫できます。社員の自立を促し、会社からどんどんノウハウを吸収してもらう、というのが非常に大切だと思っています。

そのことは結果として、社員が良い材料を仕入れて、良い商品を作って、適切にお客さんにお届けして、喜んでお金を払っていただくことで、株主価値、利益の最大化につながります。会社をお金だけで管理していくと「お金あるから集まろう」、「お金ないから散ろう」と、お金のあるないが判断基準になって、エクセレントカンパニーな会社にはならないと思っています。そういった意味で、私は「人が成長して育っていく会社」にしたいと思います。
私にとって一つのモデルはリクルートさんです。「人材って何?」と聞かれたときに「心技体」、心も技術も体も健康で、バランスよく成長している方のことだと思います。そういった人材が多く出てくる会社になって欲しいですし、そういう人材が集まったら、売上2兆円くらいの規模になっていたというのが目標です。トップダウンの会社ではなく、会社自体が育っていくようになればと思います。「社員の自立」がキーワードですね。
●自立した社員を育てるには時間がかかると思うのですが。
人を成長させるカルチャーや土壌を作るには、それなりに時間がかかります。と言いつつも、我々グループ全体を見ると、今年は時価総額を何倍にもできるチャンスで、すごく攻めていかなければならない年です。仕掛けられるタイミングだから仕掛けるのです。タイミングは大切です。
逆に、人の成長が追いついてこない危機感を感じています。社員のレベルアップが時代のスピードを上回るように、社内報やエンパワーメント通信で私自身の思いを綴ったり、木曜日の夜にセールス学校という勉強会を開いていますが、こういった自主的な集まりをどんどん増やしていきたいですね。
●アイ・シー・エフさんの経営スタイルはユニークだとお聞きしたのですが。
「連邦制独立採算型経営」のことですね。通常、経営はトップダウンだと思うのですが、アイ・シー・エフでは元々トップダウンでやってきた経営者を集めた集合体なので、トップダウンのルートが多岐にわたります。
そこで大事になるのが責任と権限と評価です。ルールが公平でないと社員から不平が出てきます。「上手くいったらどうする?」「上手くいかなかったらどうする?」というルールを設定して、その権限を明確にしておく必要があります。
●株価を維持するための対策は何かありますか?
基本は業績だと思います。私自身、去年は事業に集中していましたが、今年は少なくとも(グループ会社社長の)11人が事業執行してくれるので、会社全体でどうシナジーをどう出すかといった仕組み作りを行っていきたいです。
あとは今年はIR活動ですね。今、筆頭の株主でも7%くらいのシェアしかないので、安定株主を増やすために、去年は経営者として2〜3%ぐらいの時間しか費やさせなかったIR活動に、今年は25%ぐらい費やそうと思っています。時価総額が1,000億円になれば(時価総額10%相当の)100億円のM&Aが出来ると思っています。IR活動の大切さを改めて感じています。
●現在の株価に対するご意見をいただけますか。
当社は、当期利益6億円で時価総額が300億円なので、PERが約50倍ですね。アイ・シー・エフの成長力から見て、仮に当期利益が2倍になればPERは25倍になるので、株式市場全体から見ても適正で、業界の中で比較すれば高いほうだとは思いません。
社長に就任してから1年で、年商100億円相当の会社を作った成長力や業界標準、さらにPERを見ればまだまだこれからの会社だと思っています。
●最後に投資家に向けて、メッセージをお願いします。
アイ・シー・エフは”再創業”一年半で、メンバーも30前後と若く、2〜3年あれば花火を打ち上げることは十分可能だと思っています。しかし花火を打ち上げて、どこかへ行ってしまうという会社にはしたくありません。そういった意味で、アイ・シー・エフは社会のインフラとなる事業をしていきたいと思っているので、短期的な1〜2ヶ月の期間ではなく、2〜3年もしくは長期の資産株として見ていただけるような経営をしていきたいと考えています。