●次に財務状況についてお聞かせください。
17年12月中間期連結のハイライトについて、お話したいと思います。まずBSについてですが、棚卸資産が68億円と、IPOしたことによる資金調達等によって積極的に仕入れを行ってきたことにより前期末とくらべると約3倍となっております。目標の売上高に対し、若干在庫が足りていないのではないかと思われるかもしれませんが、我々はオフバランス化を強化しております。弊社のほうでゼネコンと業務提携を行っており、年間で数棟仕事を発注するという契約のもと、ゼネコン側に土地を保有してもらうようなことを行っています。そして、建物が完成した時点で、我々が買い取るというスタイルをとっています。
今後仕入れる大型物件につきましても、PL上にも、BS上にも大きく影響を与えないように、ゼネコンと契約したり、証券化することにより、オフバランス化を図っております。また、その結果、通常ですと、デベロッパーの自己資本比率は10%?15%と言われておりますが、弊社では目標値として20%を掲げ、現状は20%?30%の間で推移しております。
次に、PLに関しましては、売上高が68.6億円(予算対比37.1%)、営業利益が約3.9億円(予算対比44.4%)
、経常利益が2.6億円(予算対比37.0%)となっております。今期の業績見通しが、売上で185億円、経常利益で7.1億円ですので、全般的に後期の成長を見込んだ数字になっております。
また自社の業績を分析してみますと、資金力がついたことにより自社開発比率が向上しており中間期で販売供給戸数の21.6%(前期末6.3%)となっております。利益率の高い自社開発物件の比率が高まったことにより、経常利益ベースで大幅に改善が見られます。今期末には、自社開発比率は38%前後となる予定です。
また中期の経営目標して、売上高300億円、500億円という数字も狙っていますので、それに向けて、着実に実績を作っていきたいと思っております。
●仕入れ価格と販売価格の高騰について、お聞かせください。

販売価格よりも、仕入れ価格の高騰がまず起こっています。我々は、一昨年前から苦しみ始めまして、物件の仕入れが難しくなっていきました。しかし、最近になって我々の成長スピードが地価の高騰を上回ったせいか、調達規模も大きくなり、資金繰りも改善されたため、大幅にコストを抑えられるようになりました。
つい一年半前までは、純資産ベースで5億円前後だったのですが、現在では約20億円になっておりますので、仕入れの状況もかなり変わってきました。また、弊社では一早く、埼玉や横浜エリアに展開しましたので、都内の価格高騰は避けることができております。また結果としてですが、東京都内、埼玉県、神奈川県全領域に対して、物件をカバーするようになりました。
●今後のファイナンスに関して、お聞かせください。
まず1点は資金調達の状況をさらに改善するということです。今期は、黒字幅を倍以上に拡大させ、当然、純資産の部分も自分たちの力で強化していき、現在の倍近くのポジションにしたいと思っています。その結果、有利子負債の依存率も下げ、金利負担も軽くなります。
今回の資金調達も含め、かなりの財務改善が行われたので、銀行の方からの営業が激しくなりました(笑)。そういった評価は非常にありがたく思っておりますが、それに甘んじることなく、しっかりと資金調達を行っていこうと思っております。
●一部屋あたりの販売価格について、お聞かせください。
販売価格は2,000万円から2,500万円くらいが中心ですね。ただ最近はエリアが分散しているため、少しバラツキが出てきています。やや都心から離れた埼玉などですと、2,000万以下の物件もあります。また部屋数で見ますと、平均30室ぐらいの棟が多いですね。今後は、大型の案件も手がけていきたいと考えております。
そのような大型の物件に関しては、入り口にコンシェルジュやカフェを置くように予定しています。若い方々が住みたいと思うような雰囲気にしようと考えております。

●上場にまつわるエピソードについて、お聞かせください。
弊社はスピード上場と言われていますが、実は2回延期したことがあります。1回目は業績において1億数千万円の赤字を出してしまった時。それが1度目の延期です。そして、再び延期したのが、昨年の6月に同じ市場で、同じ主幹事の会社に不祥事がおきてしまった時です。上場承認の数日前に、目論見書までできあがっていた段階で、延期をされてしまいました。
そして今回も「構造計算書偽造問題」が起こり、上場が承認されていた2社が公募増資を中止決定しました。その時、我々にも主幹事のKOBE証券会社から公募増資の中止決定をお願いされました。ただし、今回は絶対に納得がいかないということで、これまで分譲した全ての物件に関して構造に関する調査を行い、私自身がその資料をアポなしでKOBE証券に持って行きました。そして社長にプレゼンし、問題がないことを伝え、KOBE証券内の役員会でも杉本を応援しようという方向に進んでもらえました。本当にドラマのようなシーンでしたね。
●KOBE証券と名証セントレックスを選んだ理由をお聞かせください。
実は4月に発売する本にも書いてあるのですが、KOBE証券を選んだ最大の理由は、前社長の市村さんに直接営業をかけられ、ハンコを押してしまいました(笑)。証券会社は、どこにするか迷っていたのですが、市村さんの熱意に押されて、思わず了承してしまいました。
セントレックスを選んだ理由は、当初はヘラクレスに照準を絞ったこともあったのですが、ヘラクレス自体がIPOを凍結した時期があり、タイミング的にスピードを優先しました。