●杉本社長の経歴について、お聞かせください。
高校卒業後、宅建の免許をとりまして、この業界に就職しました。5年ほど修行しまして、その時の会社の部下と共に独立したのがエスグラントコーポレーション設立の経緯ですね。
父親が以前、不動産会社を倒産させまして、それを間近で見ていたので、不動産会社の経営者にだけは死んでもならないと思っていたのですが、やはり血ですかね。自分でマンションを作ってみたいという思いが強くなりました。
ワンルーム業界と言いますと、僕が入社した当時は連日連夜、週刊誌、テレビで違法行為を報道されたり、あるいはバブル崩壊によって次々と倒産していく業者が増えていったりという状況でした。そんな中、ワンルーム業界も散々叩かれましたが、お金のためではなく、お客様に良いものを提供するという考えを持ちました。そして、当時の社長に提案したところ、完全に否定されましたので、それでは自分で会社を興そうと決め、独立しました。
●独立してからの経緯についてお聞かせください。

独立してからは半年で潰れそうになり、会社の口座に数十万しか残っていないという状態になったこともあります。最も大きかったことは理想と現実のギャップでした。やはり自分の心の中ではデザイナーズマンションを作りたいという高い志がありました。ですが、現実はコツコツと販売代理を行い、銀行の与信も厳しく、以前よりもひどい状態でした。また給料は毎月減っていき、見通しが完全に甘かったと思います。
しかし、これまた泥臭い話で、いよいよ倒産だという時に、社員が社長室に来て、給料を返還してくれました。そして「社長あきらめないでください」と怒られて、その時、私も経営者として目覚めたのかなと思います。「オレは何を考えていたんだ」と思い直し、全社員が一致団結して、仕事に励みました。
当時は10人くらいの社員でしたので、チームみたいな感じで、夜は1時、2時まで毎日働き、寝るのも、ご飯を食べるのも、朝起きるのも一緒という状態でした。この結束力がエスグラントの原点だと思っています。
●スピード成長について、お聞かせください。
基本的に、私の経営スタイルとしては「任せる」ということですね。営業に限らず、様々な事業を社員に任せています。例えば、リノベーション事業も、社員からの意見で始まりました。デザイン企画チームの3人が、リノベーショのチームを勝手に作ってしまい、デザインマンションの取材などもされていました。私はその記事を見て、はじめてリノベーションのチームを知りました(笑)。これは極端な例ですが、社員から上がってきた意見の中で、良いと思ったら予算をとり、進めていくというものが弊社の基本姿勢です。
また建物管理会社についても、今回やってみたいという人間が3名くらいでチームを作りました。基本的には、生え抜きで育った社員が新しい事業を展開し、成長していくという形ですね。また社員が若いということも、こういった経営に適しているのかなと感じています。当社の社員は、26歳から32歳くらいがほとんどで、事業の90%を動かしております。新しいことに対し、次々とやってみたいという意見をもらいます。ですが、もちろん却下すものもありますし、黒字の見込みが確実につけられ、利益があがるという事業にのみOKしています。
●経営理念について、お聞かせください。
「地域の特性をよく理解し、地域の人々に心から愛される集合住宅を作ります。」という経営理念を掲げています。IR活動でもお話していることですが、お客様に貢献し、心から愛される従業員を作り、健全かつ永続する経営姿勢に徹します。こういったことが最も心を込めているところです。
父親が経営者としてやってきた姿をずっと間近で見てきて、やはり不動産会社というのは、まず永続しなければ意味がないということを実感しました。景気の波にも左右されやすい事業ですので、リスク分散をしていなければならないというのが不動産業、デベロッパー事業だと思っています。絶対に潰れない会社を作ろうというのが創業からの想いでした。
●今後の展開について、お聞かせください。

今まで作ってきた自社開発物件が次々と建ちあがってきておりますので、販売強化をしていきます。またグループ会社も設立していきたいと思っております。弊社はアナログ企業なので、着々と既存の事業を伸ばしていくことが、我々の最大の使命であると思っております。
また昨年上場時に、調達した資金は、全て仕入れに回しています。今後、調達する資金については、M&Aや仕入れ資金、投資資金に使っていきたいと思っております。ただM&Aにつきまして、不動産業界は、基本的にノウハウが人材についてしまうので、そんなに簡単にできるものではないと思っております。
●中長期のビジョンについて、お聞かせください。
3年以内に400億円という売上を作りたいと思っています。後はグループ会社10社を目指しております。そして、どんどん若手にチャンスを与えていき、それぞれの事業体で、シナジーを作っていきたいと思っております。
また、不動産会社を立ち上げた人間なら誰もが一度は夢見ることだと思うのですが、いつか都市開発を行いたいと思っております。上場したからには、是非手がけてみたいです。駅舎の上にも建物が建つわけで、将来的には自分たちが思い描く都市開発を、電鉄系企業などと提携して実現させたいと思います。
●IRについてお聞かせください。
これまでは、あまり注力してこなかったのが現状です。というのも、昨年12月に上場し、今回、はじめて中間決算を行いました。ですので、これから力を入れていこうと思っております。また株主、投資家の皆様から、株価が高いというご批判を受けましたので、2月10日に5分割を発表させていただきました。
●個人投資家の方々にメッセージをお願いします。
当社は上場したばかりの会社ではありますが、地道に着々と実業を行っている会社です。中期経営計画の作成でも、管理職全員を巻き込んだ形で数字を確定させながら、計画を作っていくような姿勢をとっております。このように、全員で会社運営を行うといった経営方針で事業を展開していますので、是非是非、今後の成長に期待していただきたいと思っております。言ったことは必ず守ります。