●企業理念や経営方針について、お聞かせください。
良いものをより安く、より便利にというのが基本的な企業理念です。それに最近新しく、感動を創造していこうというものを加えています。
経営上一番意識していることは、常に進化していくということです。企業というのは変化に対応して、進化していかなければいけません。これはダーウィンの進化論に通じることで、やはり大きいもの強いものではなく、変化できるものが生き残っていくんだと思います。自然界の中に人間界があり、経済界があるわけですから、経済界の原理原則というのは、恐らく自然界の原理原則と全く同じだと思います。ですから、私はそういった原理・原則を大切にしております。
また私は気付けばこういった意識になっていましたが、親会社パソナの南部代表も大義名分が大切だと言っております。大儀名分が大切であるとはどういったことかと言いますと、常に誰かから必要とされなくてはいけないということです。必要とされないものは必ず淘汰されますから。例えば松下幸之助さんの本であっても、同じようなことを言っておりますよね。宇宙の中で人間は生かされているんだから、そこで謙虚でいないと駄目だよ、といった感じです。
●御社の雇用状況、人材育成についてお聞かせください。

正社員はまだ160名くらいで、あまり多くありませんが、契約社員や派遣・アルバイトを入れると500人を超えています。これは会員が増えた分だけオペレーションが発生したためです。具体的にはコールセンターのオペレーター、あるいは会員管理の入力を行うキーパーチャーのような職種が会員数に比例して増やさざるを得ない状況です。
営業や管理部門については、会員数に比例した人員は必要ありませんので、販管費率などは今後ますます下げられると思っています。たまたま、ここ数年間は大幅なシステム開発やオフィス移転、あるいは比較的将来のための種まきとなる新規事業投資などを行っていたため、利益率は改善しておりませんが、今後は進めていこうと考えています。
また男女比ですが、女性の比率が多くなっています。オペレーション部隊で結構な人数がいますから、八割以上が女性でしょうか。ただ社員でみると半数くらいになりますね。パソナが女性に人気のある会社というのが大きいかもしれません。
次に、人材育成に関してですが、人は仕事をしていく上である程度育っていきますので、人材を育成するというよりむしろ、企業文化をいかに維持するかが大切だと考えております。やはり三十人、五十人、百人くらいまでは比較的みんな意識のレベルも高く、やることもスピーディーですし、各個人がそれなりの責任感を持っていけますが、組織が大きくなってきますと、一人一人の想いなどがどうしても薄くなってきてしまいますよね。
ですから、個人のスキルなどはあまり問題視しておりません。仕事でいくらでも覚えられますから。全ての原動力というのは志とか想いですから、その想いを組織が大きくなった際にも維持できるようにすることが大切です。社員数が増えても、一人一人の想いの絶対量が減りますと、掛け算の世界で、マイナス効果になることもあり得ますからね。
●福利厚生の市場環境と中期経営計画について、お聞かせください。
現状、福利厚生のアウトソーシング事業というのが、国内の就労人口6,400万人に対して、6〜7%と、まだまだの状態です。しかし6,400万人の就労人口の中で、いわゆる大手企業や中央官僚、自治体といった、まとめて1,000人以上を取っていけるという団体はそんなにありませんので、今後はリテールの強化が必要になってくると考えております。小さな会社に直接営業に行くのは効率が悪いですから、代理店のネットワークを作っていくことが基本戦略になります。
また景気が良くなっていることも、リテールにチャンスを感じている要因です。同時にベネフィットワン・パートナーズなど新規事業も非常に好調で、対外的にコミットメントはしていませんが、グループとしては2010年ぐらいまでには売上高500億円、経常利益で75億円くらいにはしたいと思っています。そのうちの250億円が本体で、残りの250億円というのはベネフィットワン・パートナーズなどの新規事業でと考えています。
●IRに関連して、今後の課題についてお聞かせください。

東証1部に上場するために少数特定株主の比率を下げていくことと、株主数、流動性を高めていくことが弊社のテーマかと思います。個人向けのIRは今まであまり行ってきませんでしたが、今後は意識していきたいと考えています。
●機関投資家に指摘される点など何かございますか?
当初よく言われていたのが、「会員のサービス利用=コスト」のビジネスモデルでないかということです。競合企業にそういった事例がありましたので、よく質問されましたが、弊社のビジネスモデルが「利用=利益」と確信していただいた辺りから、そういった懸念に対する発言も見当たらなくなりました。
●最後に改めて個人投資家、株主の方にメッセージをお願いします。
投資家の方々には長期保有をお願いしたいですね。弊社は黙っていれば売上や利益が累積していく収益構造をしていますので。長期保有していただくことが、株主還元に繋がると考えております。私は、最終的に株価は利益で決まると思っていますので、本業をきちんと進めていきたいと思っています。