● 海外で先行して普及している「サービス提供型モデル」を、今後日本でフロントランナーとして切り拓きたいということでしょうか?
サービス提供型モデルの普及に関して言えば、日本はアメリカと比較して5年ぐらい遅れているイメージです。米国は2000年ぐらいから本格的なサービス化がはじまっています。アメリカでサービス提供型モデルが賑わいを見せている背景としては、受託開発型モデルよりもサービス提供型モデルの方が、結局は利に叶っているという点が挙げられます。
金融機関の1社1社が、莫大な費用を投じてハードウェアやデータセンターを個別に借りて、オーダーメードのシステムを作って、資産償却するよりも、外部からアウトソーシングを受けて、共同事業を展開し、そのなかで効率化を図ることでサービス利用料だけを課金していくビジネスモデルの方が、金融機関としてもバランスシートが小さくなるし、コストパフォーマンスは向上するはずです。
また、当社としても、これまでのノウハウを活かし、集中的に自社でシステムを企画・開発・保持ができるという点で効率化を図れば、UMS事業自体の粗利は上がってくると思います。こうした点から、サービス提供型モデルは、お互いにとって非常にメリットがあると思います。そうした意味でも、当社が日本国内のフロントランナーとして、金融フロンティア領域におけるサービス提供型モデルを開拓していきたいと思います。
● 顧客層は今までの大手金融機関だけでなく、より広範囲に広がるのではないでしょうか?
大手の金融機関もそうですし、今まで当社のシステムを高くて購入できなかったお客様や個人投資家など金融に関わる人たちすべてに何らかの形でメリットを提供できるようになっていくと思います。
UMS事業第一弾サービスである「SPRINT」は現在、主にエンドユーザとして個人投資家の方々を対象にサービスを展開していますが、UMS事業そのものは、 その利用者を個人投資家に限った事業ではありません。 たとえば、当下期から本格的に展開予定の「時価配信・ニュース配信」は、 「SPRINT」を通じた個人投資家向けの提供から、機関投資家向けや、証券会社の営業店向け、インターネットのポータルサイト向けなど、多方面での展開を想定しています。
● 今後の中期経営計画を超えた10年後、20年後に関しても、海外事業展開など、また違ったステージが見えているのでしょうか?
海外展開については、これまで主に開発拠点として海外事業展開を検討し、 一部プロジェクトでは海外での開発をトライアル的に行ってきましたが、現在は、これをさらにすすめ、販売拠点としての海外事業展開も検討しています。
販売拠点の候補としては、デリバティブなどディーリング系はニューヨークやロンドン、株式ではアジアにでていく可能性がありますし、ワールドワイドで考えていきたいです。
● 今後のIRへの対応についてお聞かせ下さい。
私は基本的にIR活動の目的は、個人投資家や機関投資家の方々に対して、当社の株主価値がどれぐらいかを判断できる材料を、透明性高く、公平・公正に提供することだと考えています。現在は、国内外の機関投資家に対して定期的に個別ミーティングを行っていますし、個人投資家に対しても全国各地で会社説明会を定期的に開いています。また、当社ホームページにおいても、IRブログや動画などを通じて、積極的に情報開示を行っています。
ただ情報開示(特に受注案件の情報開示)においては、当社が金融機関の収益拡大支援業務を行っている都合上、顧客の戦略的な理由で、顧客名や受注内容について開示できないという課題を抱えています。当然受注金額も開示できません。このような事情により、「情報をお伝えしたくてもできない場合が非常に多い」という点を、投資家の方々にご理解頂ければと考えています。
● 最後に株主、投資家の方々にメッセージをお願いいたします。
全体のマーケットとの相関もありますが、現状のPERやDCF(ディスカウント・キャッシュ・フロー)などを見ると、第二次中期事業計画の最終年度にあたる、5年後の成長は現在の株価に織り込まれていないように見えます。
こうした現状を踏まえ、第二次中期事業計画の初年度にあたる今年を含めた1、2年が勝負だと思っています。投資家の皆様に、できる限り早い段階で、当社が第二次中期事業計画の業績目標を達成できるであろうと判断していただければ、株価が5年というスパンの事業計画を織り込むスピードも早くなってくるのでは、と想定しています。そのため、「なるほど確かに業績目標の実現性が高まってきている」と投資家の方々から信頼していただける様、努力し実績を積み重ねていきたいと考えています。
そして、投資家の皆様の期待に今後も着実に応えていくことができる銘柄でありたいと考えています。