●平野社長ご自身について、ご経歴などをお教えください。
1961年に生まれ、大学卒業後、約3年間会社勤務をした後、25歳の時に起業しました。その時、最初に始めたのが家庭教師派遣業です。家庭教師派遣業というのは派遣事業の一業態ですから、派遣の原型となるようなものを20代半ばで創業し、約5年間この事業を行いました。
このマーケットでは事業が拡大しないと思っていた矢先に、偶然知り合いの運送会社の社長から手伝ってくれと言われたのが、引越し事業のアシスタントの派遣でした。その事がきっかけとなり、フルキャストを創業することになりました。これが平成4年で今から約13年前の話しです。
●会社が大きくなる中で印象深かったことは何ですか?
特に印象深いものは、JASDAQに上場した2001年6月15日でしょうね。やはり人材ビジネス、特にブルーカラーマーケットというのは、創業当時はあまり良い言い方をされていませんでしたので、お客様やスタッフに喜んでいただき、社会貢献をしていると言ってきたことが認められたと思いました。
●外から見ても大変安定的に成長していらっしゃいますが、その要因をお聞かせください。
外部から見れば順風満帆に見えているかもしれませんが、常に大きな目標を掲げて、達成するということを課していますから、それは私としても大変ですし、それ以上に幹部も社員も全員全速力で走っています。そういった意味では、私は非常に良い社員に恵まれ、本当に良い事業に恵まれたと思っております。
確かに事業そのものの成長力、マーケットの成長性というものがあったかもしれませんが、それ以上に、これだけの社員がそろって、かつその社員一人一人が上を目指していけるような組織体制を作れたことが、一番大きな成長要因だと思っています。
●また財務基盤が非常に強いように見えますが。

そもそも人材ビジネスは大きな投資を必要とするものではありません。ですから、現状でも自己資本比率は50%を超えておりますし、そういった面では財務バランスとしても自信を持っております。
私が経営する上で、最も大切にしている指標はROEです。やはり、投資家に対してどれだけROEを高めていけるかというのがポイントだと思っております。最低でも20%はキープしていきたいという大きな目標を持っております。今期はM&Aがありましたので多少影響が出ますが、2007年の目標が達成できればROE20%を上回ることは可能だと思っております。その結果、財務体質および経営効率の更に優れた会社になれると思っております。
●財務的根拠は業務改善によるものですか?
基本的には利益率を高めることが重要でして、本業のスポット事業、他の事業も含めて、粗利率を改善します。そして販管費率の削減ですね。現状はまだ年に21〜22%程度ありますが、これを3年後までには20%程度に抑えられるように努めます。結果、営業利益率は約8%くらいまでは改善できると思っております。
●平野社長の財務的なバックグランドについてお聞かせください。
別に特に何もないですよ(笑)。ただ普段から考えていることを言っているだけです。基本的に経営者は24時間会社の成長を考えていますから、常に自分の戦略なり、戦術なり、想いをずっと頭の中で考えていれば、自然と言葉になって出てくるだけです。
また数字の把握に関しても自分の会社のことですから、3年くらい先の売上、利益、ROEなどが頭に入っているのは当然です。少なくとも投資家から聞かれたときに、過去のトラックレコードと今後三年間の細かい計画は頭の中に入っているべきだと思っています。
●個人向けのIR活動の印象今後の展開について

IRについては、私が今経営者として行っている仕事の中でも1,2を争う大切な仕事だと考えております。当然会社を成長させるためには、社内でのミーティングも必要ですし、社外とのネットワークも大事ですが、何よりも会社を評価していただける株主の方々に、会社そのものを理解していただき、今後の成長戦略や現状をきちんと把握をしていただくことによって、安心して投資をしていただく環境をつくることが大切です。
ですから、機関投資家向けということでもIRをしていますが、それ以上に個人投資家向けというのは、重要なものではないかと思います。今後はIRの単独のセクションだけでなく、私を含め、担当者ともども、個人株主づくりのための適切な情報開示、IR活動をより一層強化していきたいと考えております。
●最後に株主や個人投資家の方々へメッセージをください。
私は株主価値を最大化するために、経営者として何が出来るかを日夜考えております。ステークホルダーたる株主の方々、お客様、従業員そして創業から支えていただいた関係者の方々に対し、全てのバランスを取りながら、株主価値を最大化するということを常に考えております。
今後3年間、そして5年、10年というスパンで人材ビジネスを中核として、この事業を伸ばしていくための戦術、戦略、方法論を十分把握し、日夜研究しているという自信がありますので、今後とも是非ご支援のほど、よろしくお願いいたします。