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株の教科書

4. 有望銘柄を買うタイミング〜テクニカル分析〜

4.1 テクニカル分析とは


ファンダメンタルズ分析で有望銘柄を見つけることができたら、次に重要になるのは売買のタイミングです。売買のタイミングを誤ると、せっかくの優良銘柄も高値で買うことになってしまうかもしれません。売買のタイミングを見計らうには、過去の株価の動きをグラフにした「チャート」が役立ち、チャートを使って株価の動きを予測するのが「テクニカル分析」です。

4.2 テクニカル分析でできること


A. 売買のタイミングを知る

テクニカル分析により、探し当てた有望銘柄の株価が、高値圏なのか安値圏なのかを知ることができます。それにより安値圏にあれば買い、高値圏なら売りなど、売買のタイミングを見計らうことができます。

B. プロの投資家と対等に戦う

プロの投資家は、経営者などから業績や財務について直接聞く機会があります。そのような機会は、個人投資家にはなかなかありませんので、個人投資家はファンダメンタルズ分析において、プロの投資家より弱い立場にあるといえます。

一方テクニカル分析では、プロの投資家と同じ条件で勝負することができます。ネット証券のサイトやチャートソフトを使うことにより、プロの投資家も行っている高度なテクニカル分析が簡単にできます。

4.3 テクニカル分析は本当に役に立つのか


テクニカル分析は、主として「チャートにより市場の動きを分析するもの」で、将来の株価の方向性を予測することを目的としています。目的は将来を予測することですが、分析するのは過去の株価の動きです。株式投資に役立つのかという疑問は当然残ります

そもそも株価はどのように動いているのかというと、その企業の業績や注目度、ニュース、相場全体のトレンドなどを徐々に織り込みながら動いています。チャートの動きと過去の業績を調べたら、同じように動いていたということも少なくありません。つまり、チャートを見ることで過去の企業の動きが分かり、そこから今後の動きも予想することができるのです。

この株価の動きは、「トレンド」という株価の動きの方向性を形成します。長期の上昇トレンドにうまく乗ることができれば、大きなキャピタルゲインを得ることができるでしょう。長期的に成長を続けている企業の長期チャートは、綺麗な右肩上がりになっている場合も多く、長期チャートに注目して長期投資を行うこともできます。

また、チャートにはいくつかのパターンを繰り返すという傾向があり、株価の底や天井を示すサインとなることもあります。たしかに過去の株価の動きを分析するというものではありますが、将来の株価予測にある程度は使えるといえるのではないでしょうか。

4.4 短期投資と長期投資のテクニカル戦略


A.短期投資の場合

短期投資では、チャートはとても役立ちます。「業績の良い株が下がったとき」は絶好のチャンスですし、「理由もないのに突然上がったとき」は売るべきでしょう。業績をベースにしてチャートを学べば鬼に金棒です。短期的に上がりすぎれば売り、下がりすぎれば買いでOKです。

B. 長期投資の場合

良いビジネスモデルをもった企業は長期的に成長する可能性が高く、長期的に上昇しているチャートはそういった優良企業のものである可能性が高いです。長期投資でのテクニカル分析の利用法としては、長期的に成長している優良企業を探して投資することです。また前述したように、売買のタイミングの参考にもなります。

以下では実際に、テクニカル分析の手法を解説していきます。

4.5 トレンドラインとは


「株価はトレンドを形成する」といわれています。実際チャートを見てみると、株価は一定のトレンドで動いていることが分かります。これを利用したテクニカル分析の手法がトレンドラインです。利用方法としては、株価の波動の下値を線で結び「下値支持線」を引き、上値を線で結び「上値抵抗線」を引きます。そうすることで以下のような投資法ができます。

A. ボックスで儲ける

下値支持線付近で買い、上値抵抗線付近で売る方法です。そうすれば、株価のボックスで何度も利益を得ることができます。下値支持線を割ったら暴落する危険性があるので、損切りするなど注意が必要です。

B. 保ち合い上放れで儲ける

上値抵抗線を突き破ったときに、追撃買いをする方法です。うまくいけば、それまでのもみ合いのパワーが爆発し、株価が暴騰する可能性があります。しかし、この投資法は「騙し」が多いことが特徴です。上値抵抗線を抜いたと思っても、そのまま失速して下がってしまう可能性もあります。

4.6 ローソク足とは


ローソク足とは、一定期間の値動きをローソクの形で示した株価チャートの一種です。主に3つの期間のものが利用されます。

A. 日足(ひあし)

 1日の株価を一本のローソクで示したものです。

B. 週足(しゅうあし)

 1週間の株価を一本のローソクで示したものです。

C. 月足(つきあし)

 1ヶ月の株価を一本のローソクで示したものです。

ローソク足は、実体線と呼ばれる太い長方形の部分と、その上下に付くヒゲと呼ばれる細い線でできています。実体線は白く表示するものと黒く表示するものがあり、白いものが陽線、黒いものが陰線と呼ばれます。白く表示したものは、長方形の下側がその期間の始値、上側が終値を示しています。黒く表示したものは、長方形の上側が始値、下側が終値を示しています。

また、実体線の上についているヒゲを「上ヒゲ」、下についているヒゲを「下ヒゲ」といいます。上ヒゲの先端は高値、下ヒゲの先端は安値を示します。上ヒゲは売り、下ヒゲは買いといわれています。

4.7 移動平均線とは


移動平均線は、一定期間における終値の平均値をグラフ化したものです。期間によって、様々に引くことができます。主に利用されるものとしては、以下の期間のものがあります。

A. 日足

 25日移動平均線
 75日移動平均線

B. 週足

 13週移動平均線
 26週移動平均線

C. 月足

 13月移動平均線
 26月移動平均線

短期の移動平均線が、長期の移動平均線を下から上に突き抜けることを「ゴールデンクロス」といいます。このような場合、株価は上げ基調に入る傾向があります。逆に、短期の移動平均線が、長期の移動平均線を上から下に突き抜けることを「デッドクロス」といい、デッドクロスになると株価が下げ基調に入る傾向があります。

4.8 三角保ち合いとは


株価が上下に動きながらも、大きな流れとして横ばいの動きを続けている状態を「保ち合い」といいます。そして、上下の動きがだんだん小さくなっていき、チャートの形が三角形のようになる状態を「三角保ち合い」といいます。

保ち合いの状態から、上下どちらかに値動きが出始めることを「放れる」といいますが、「保ち合いから放れた方につけ」というのは、投資の世界で昔から有効な戦法として知られています。特に、三角保ち合いからの放れに付く戦略は、成功する確率が高いといわれています。




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