1.1 世界初の株式会社「オランダ東インド会社」
「株式」の歴史は非常に古く、時代は17世紀のオランダにさかのぼります。16世紀中頃から17世紀にかけて、ヨーロッパでは船を使った貿易が盛んで、まさに「大航海時代」でした。しかし船を作るにはかなりの費用がかかります。また船が沈没したり、海賊に襲われた場合、大きな損害が出る可能性もあります。そのような背景から、リスクとリターンを分散する目的で、1602年、世界で初めてオランダ東インド会社が株式を発行し、投資家からお金を集めました。
株式を購入した投資家は、貿易で生じた利益を出資した割合に応じて受け取ることが可能でした。一方で、海賊に襲われるなど損害が発生した場合は、出資分のみ負担することになりました。
1.2 株式会社という制度
オランダ東インド株式会社は、「東インド会社の事業は儲かる」と考えた投資家から出資金を集めました。そして東インド会社は、出資金に対する証明書を発行しました。この証明書が、いわゆる株式にあたります。その証明書を基に利益の配分を約束しました。利益の配分については、出資金の比率に応じて行いました。つまり、たくさん出資した投資家がたくさんの利益を得ることができるということです。
また多くの投資家が集まれば、船や設備、船員、行き先など、意見が割れることもあります。その際に、オランダ東インド会社では、出資者による会議を開きました。今の株式制度で言う「株主総会」です。その会議で50%以上の賛成を得た決定に従い、会社は運営されることになりました。
それでは実際の会社運営はどのように行われるのでしょうか。株式会社という形態が出現した頃は、出資者がいつも会議を通して会社の運営を行っていました。しかし、何か意思決定を行う度に会議を開いたのでは効率的ではありません。そこで出資者は取締役という会社経営のプロを雇って会社運営を任せることにしました。出資者は一年間取締役に事業を任せ、一年毎に株主総会を開き、取締役を評価しました。この仕組みこそが現在開かれている株主総会の始まりです。
このように出資者と経営者を中心に株式会社という制度は熟成されていきました。
1.3 利益処分の制度
株式会社という形態が生まれた頃は、航海ごとに出資者を募り、お金を集め、その航海が終了した時点で利益を出資者に返還していました。しかし、一回の航海ごとに船を用意したり、船員を雇ったりするのは、大変手間がかかる作業です。そこで航海が儲かるのであれば、一度目で生まれた利益を次の航海の準備資金にし、さらに大きなリターンを狙うようになりました。今で言うと、出資者に還元する利益が「配当金」で、次の航海への準備資金が「内部留保」ということになります。
1.4 株式市場の誕生
航海が終わればお金が清算されていた仕組みとは異なり、継続的な組織になった株式会社の株式を持っていても、投資した資金は返ってきません。そこで考え出された仕組みが「株式市場」です。株式市場は、様々な会社の株式が取引される場で、株式を換金したいという投資家が、株式を売買できるようになりました。儲かっている会社の株式は多くの投資家が欲しがり、結果、株価は上がっていきました。
2. 株式の役割へ
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