5.1 株式市場の分類
株式は大きく分けて、「上場・公開されている株式」と「未公開の株式」の2種類があります。通常、株式投資をする場合は、証券取引所に上場している株式が対象となります。株式などの証券が取引される市場は色々とありますので、まずは株式市場の分類を見てみましょう。
A. 機能上の分類
発行市場 … 新規発行された株式を引き受け、取得者を募集する市場
流通市場 … 既に発行されている株式を売買する市場
B. 商品別の分類
現物市場 … 上場株式、店頭株式などの現物株の売買を行なう市場
デリバティブ市場 … オプションなどの売買を行なう市場
C. 市場別の分類
取引所市場 … 証券取引所を通して株式の売買を行なう市場
店頭市場 … 証券会社の店頭で株式の売買を行なう市場
D. 国別の分類
日本市場 … 東京証券取引所、大阪証券取引所、ジャスダックなど
米国市場 … ニューヨーク証券取引所、NASDAQなど
欧州市場 … ロンドン証券取引所、フランクフルト証券取引所など
アジア市場他 … シンガポール証券取引所、香港証券取引所など
5.2 日本の証券取引所
企業の規模などによって証券取引所が分けられています。また傾向としては、上場審査基準の厳しい市場での取引の方が、投資家にとってのリスクは少ないといわれています。
A. 東京証券取引所市場第一部(大企業向けの市場)
上場審査基準の厳しさ ★★★★★
株式の大部分はこの市場で売買されています。流動性が高いので、「いつでも買えるし、いつでも売れる市場」であるといえます。業績や財務の安定性に優れた企業が多く、皆さんも知っているような有名企業も多数上場しています。
B. 東京証券取引所市場第ニ部(中堅企業向けの市場)
上場審査基準の厳しさ ★★★★☆
東証1部上場予備軍です。1部にはやや劣りますが、業績の安定している伝統企業が多いのが特徴です。東証1部に比べて規模の小さい企業が多いので、業績や財務のリスクが多い分、リターンも大きいです。
C. 東証マザーズ(ベンチャー企業向けの市場)
上場審査基準の厳しさ ★★★☆☆
東京証券取引所が「ベンチャーを母のように育てる」というコンセプトの元につくったのがこの市場です。上場審査基準が比較的緩く、生まれたばかりのベンチャー企業も多数上場しています。「成長する可能性があるか」ということが事実上の上場基準なので、今のうちに買っておけば数年後に株価が何十倍にもなる企業が埋もれているといえます。反面、業績や財務のリスクが非常に高いことに加え、流動性が低い銘柄も存在します。
D. 東京証券取引所外国部(外国企業向けの市場)
上場審査基準の厳しさ ★★★★★
海外の有名企業が上場している市場ですが、最近はあまり売買が活発とはいえないようです。
E. 大阪証券取引所市場第一部(関西地区の大企業向けの市場)
上場審査基準の厳しさ ★★★★★
上場審査基準は東証1部とほぼ同じです。東証1部と重複して上場している企業が多いのが特徴といえます。また任天堂やローム、村田製作所、京セラなど、関西の優良企業もここに上場しています。
F. 大阪証券取引所市場第ニ部(関西地区の中堅企業向けの市場)
上場審査基準の厳しさ ★★★★☆
上場審査基準は東京証券取引所市場第ニ部とほぼ同じです。ただし市場の特徴として、仕手系株が多いことが挙げられます。「玄人向け」の市場といえるでしょう。
G. ヘラクレス(ベンチャー企業向けの市場)
上場審査基準の厳しさ★★☆☆☆
コンセプトはマザーズと同じですが、上場審査基準はヘラクレスの方が甘いといわれており、より「ハイリスクハイリターン」と考えられます。こちらも「成長する可能性があるか」が事実上の上場審査基準といえるでしょう。
H. ジャスダック証券取引所(中堅企業向けの市場)
上場審査基準の厳しさ★★★☆☆
JASDAQが運営する中堅企業向けの市場です。マザーズやヘラクレスは「成長するかどうか」が事実上の上場審査基準ですが、ジャスダックでは昔ながらの伝統的な中堅企業も上場しています。「規模は小さいが、これだけは大企業に負けない」というこだわりのある企業が多くなっています。
一般的によく知られている東京証券取引所の他にも、こんなにたくさんの市場があります。特に、近年新興企業が数多く上場する市場が、ジャスダック、マザーズ、ヘラクレスです。これらの市場に上場している株式の多くは、値動きが激しい傾向があります。それに対し、東証1部に上場している伝統的な優良企業の株価は比較的安定しています。
また、その他の取引所としては、札幌・名古屋・福岡などがあります。
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