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株の教科書

2. IPO投資とは

2.1 IPO投資の実態


IPO投資とは、IPO株式の抽選に参加し、公開前にIPO株を公募価格で手に入れることをいいます。このIPO投資ですが、近年、「ほぼ確実に儲かる」といって差し支えないような状態です。2005年のデータを分析してみると、新規上場した158社のうち、初値が公募価格を下回った銘柄は3社しかありませんでした。騰落率で見ても、133.4%と史上最高を記録し、公募価格の2倍以上の初値をつけたのが61銘柄、3倍以上になったものが33銘柄もありました。


2.2 IPO投資法


IPO情報の入手から、IPOの抽選までの流れを解説していきます。

A. IPO情報の入手

公開を目指す企業が、証券取引所に有価証券届出書を提出し、審査に合格することで、IPOの準備が開始されます。この情報を、IPOの情報サイトや証券会社のサイトなどで確認します。気になるIPO銘柄があれば、その銘柄を取り扱っている証券会社で需要申告を行います。

B. ブックビルディングへの参加

主幹事・副幹事証券から発行される目論見書を見て、一定の価格帯から買いたい値段を主幹事、副幹事証券会社に申告します。価格帯の決定は機関投資家などからのヒアリングをもとに決定され、最終的な公募価格はこの需要申告で決定します。一般投資家からの需要(book)を積み上げる(building)ことによって公募価格を決定するので、ブックビルディングといわれています。

C. 抽選

需要申告の申し込みが配分予定の株数を越えた場合は、証券会社ごとに抽選が行われ、当選した場合だけ購入することができます。抽選への参加方法に関する細かい規定は証券会社によって異なるので、しっかり確認するようにしましょう。多くの証券会社では、ブックビルディングに参加することが抽選参加の条件となっています。また、抽選時やブックビルディング参加時に、申し込んだ額に相当する余力が必要になります。


2.3 IPO投資の注意点

A. 目論見書

目論見書には、有価証券の内容やその発行者について詳細に記載されています。目論見書は、IPOの際には必ず発行されるもので、IPO投資をするなら必ず読むべき文書です。しかし、目論見書の量は膨大で全部を読んで理解することは難しいので、最低でも以下の4点はチェックしておきましょう。


  • 公開予定日
  • 事業内容
  • 公開株数
  • 想定価格

公開株数が少ない場合、需給の関係から人気化しやすいので、チェックしておくと良いでしょう。同業他社との株価の比較も投資基準として役に立ちます。その際は、PERやPBRなどで比較すると良いでしょう。

B. VC(ベンチャー・キャピタル)・ストックオプション

IPOを行う企業の多くは、一部の株式をVCが保有しています。VCは上場後に保有株を売却することが一般的で、VCの保有割合が多い銘柄は初値が安くなる傾向があるようです。またストックオプションを大量に発行している場合も、潜在的な売り圧力が強く同じような傾向となります。ただし、上場後数ヶ月は売りに出してはいけないという取り決め(ロックアップ)がある場合もあるので、確認するようにして下さい。

C. IPO銘柄の売買規制

ここで注意すべきなのがIPO銘柄の売買規制です。意外と知られていませんが、IPO銘柄が上場初日に初値がつかなかった場合に、証券取引所から様々な規制がかかります。

・初値決定日までの規制措置(即金規制)

通常の売買は、3営業日後に入金決済されますが、即金規制がかかると買付け代金が即日徴収されます。買い約定の時点で代金が決済されるので、同じ日に他の保有証券を売却した代金で購入することはできません。その代金が手元に入るのは3営業日後だからです。規制は需給バランスを整えるために行われます。買付け時点で現金を保有している人に需要を限定することで、需要を減らすことが目的です。

・成行買い注文の禁止

・初値を定める売買について、取引参加者の自己計算による買付け(取引一任契約に基づく買付けを含む)の禁止

・値幅制限の適用

初値決定後は、当該初値を基準値段とした値幅制限が適用されます。

・初値決定までの気配運用の規制

気配更新の上限については、前日の最終気配値段の2倍が目途となります。最初の気配表示については、最終気配値段及び需給動向を踏まえて表示し、その後の気配更新については需給動向を勘案しつつ、最終気配値段の10%、5%、又は直前の気配値段に基づく気配の更新値幅で行います。


2.4 IPO投資に適した証券会社


ここでは、IPO投資に適した証券会社をご紹介します。IPO投資に適した証券会社の条件は以下の4点です。


  • ネット証券である
  • 主幹事証券を務めることが多い
  • 口座数が少ない
  • IPO関連のサービスがある

対面証券のIPO抽選は一般的に開かれているわけではないので、ネット証券で申し込むほうが良いでしょう。公開株式の5割以上を主幹事証券が押さえるので、主幹事証券を務めることが多い証券会社が狙い目です。口座数が比較的少ない方が、申込みも少なくなるので当たりやすくなります。オマケとして、IPO関連のサービスがある証券会社も注目。特にイー・トレード証券のIPOチャレンジポイントが有名です。それでは証券会社ごとのIPOサービスをご紹介します。

A. マネックス証券

おすすめ度 ★★★★★

マネックス証券は、IPO取扱額で2005年ネット証券1位となりました。IPOを複数株申し込んでも1株分の抽選になるため、余計な資金を置いておく必要がありません(割り当てられた株数以下のIPO申込の場合は、複数当選になります)。その他に、フィスコのIPO情報が無料で手に入るのが大きなメリットです。主なコンテンツとしては、「銘柄紹介」、「初値予想」、「BB考察」、「初値分析」があり、1銘柄で4レポートを見ることができます。参加スタンスも教えてくれるので、どの銘柄の抽選に参加するか迷う場合は参考になります。

B. イー・トレード証券

おすすめ度 ★★★★★

イー・トレード証券は、IPO取扱件数で2005年ネット証券1位でした。口座数が多いのを割り引いても、IPO投資に欠かせない証券会社です。また、イー・トレード証券にはIPOチャレンジポイント制度という制度があります。IPOに落選するとポイントがもらえ、1ポイントで2倍、2ポイントで3倍、3ポイントで4倍というように当選確率が上がっていく制度です。このIPOチャレンジポイントを大量投入することで当選確率が上がります。

C. 松井証券

おすすめ度 ★★★★☆

松井証券は、ネット証券でトップクラスのIPO取扱実績を誇っています。マネックス証券やイー・トレード証券より口座数が少ないのもポイントです。

D. 楽天証券

おすすめ度 ★★★☆☆

楽天証券は、近年主幹事証券を務めることも多くなり、IPOの取扱いに力を入れています。また預かり資産が多い投資家を優遇しているので、資金の多い場合は特におすすめです。

E. コスモ証券

おすすめ度 ★★★☆☆

コスモ証券は、年数回、主幹事証券会社を務めることがあります。そのときのために、口座を開いておくと良いかもしれません。

各証券会社とも口座開設や維持は無料なので、証券会社比較からさっそく資料請求してみて下さい。





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