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株の教科書

4. 信用取引のテクニック

4.1 信用取引用語の解説


信用取引を行う上で、戦略的に用いられる用語を解説します。これらの用語は重要なものが多いので、信用取引をする投資家はもちろん、しない投資家の方も知っておいた方が良い用語です。

A. 信用残

制度信用取引を利用した信用買いの総量(信用買残)と、信用売りの総量(信用売残)のことを意味します。信用取引は、実需ではなく仮需です。信用買い残が多ければ、将来の売り圧力となり上値は重くなり、信用売り残が多ければ、将来の買い圧力となり上値が軽くなるといわれています。また、買い残と売り残が極端に厚くなることを「取り組みが厚い」といい、取り組みが厚くなれば厚くなるほど、株価の値動きは激しくなります。

B. 貸借倍率

信用買い残を売り残で割ったものを貸借倍率といいます。全体の取組状況を示す指標として注目されており、貸借倍率が大きくなれば取引の悪化を、小さくなれば取引の改善を示します。倍率が拡大傾向にある時は市場人気が強く、縮小傾向にある時は、市場人気の低下がうかがえます。

C. 踏み上げ

信用売りの多い銘柄が買われ株価が急上昇し、信用売りをしている投資家が買い戻しに走り、さらに株価の上昇が起こることをいいます。踏み上げが発生するタイミングを予測するためには、信用売りがどのタイミングで入ったものかを知らなくてはなりません。天井圏で入ったものであるならば、信用売りしている投資家には余裕があるので、踏み上げる可能性は高いとはいえません。しかし、より低い価格帯で信用売りしている投資家が多いと、少しの株価上昇でも一斉に買い戻してくる可能性があります。注意点としては、踏み上げが起こった後は信用売りをしている投資家の買い圧力がなくなってしまうので、相場は終わりといえる点です。

D. 逆日歩

信用買いに比べて信用売りが極端に増えてしまい、品貸料が通常よりも高くなってしまう場合があります。この場合の品貸料を逆日歩といいます。信用売りをしている投資家は、1日ごとに逆日歩を徴収されるため、じりじりと追い詰められていきます。一方で、信用買いをしている投資家は逆日歩をもらえます。

E. 信用取引規制

証券取引所などが相場の加熱を抑えるために、信用取引に対して行う規制のことです。需給に深く関ることですので、理解しておきましょう。まず、相場が加熱してくると日々公表銘柄に指定され、信用取引の残高がどうなっているのかが日々公表されます。次に増担保規制が行われると、その銘柄を買うときに必要な保証金が増えることになり、需要が減少します。その他に、新規売り停止が行われると新規の信用売りができません。これは、株価にプラスにもマイナスにもなり得ます。

4.2 信用取引のテクニック

A. つなぎ売り

現物株式を持っている状態で、信用売りをかけてリスクをヘッジする取引手法です。例えば名義書換をするときなど、一時的に株式が売れない状態が発生します。このような場合につなぎ売りをすることで、値下がりリスクをヘッジすることができます。

B. 両建て

信用買い(現物買い)と信用売りを同時に行なう取引手法です。相場が加熱すると、新規信用売り禁止という規制が出ることがあります。この規制が出たら上げ相場は終わることが多いのですが、その時は信用売りが禁止されています。そこで、リスクヘッジをしつつ、規制が出る前にあらかじめ信用売りをしてしまおう、というのがこの手法です。新規信用売り禁止規制が出たら、買いポジションを売って、ポジションを信用売りのみにします。そうすることで、株価が下がる確率が高い場面で信用売りポジションを持つことができるとされています。

C. 優待取り

リスクなしで株主優待をもらう手法です。株主優待は非常に魅力的ですが、優待の権利を得た後に、株価が下がってしまうということがよくあります。株主優待の権利を取ったら、株式を売ってしまう投資家が多いためです。そこで、権利落ち日の寄り付きで、現物の買いと信用売りを同時に行います。そうすれば、同じ値で買いと売りを持つことになるため、株価が下がっても損益は固定されます。そして、優待をもらった翌日に現物を売り、信用売りを返済します。これで値下がりリスクを避けて、株主優待をもらうことができます。

D. 逆日歩取り

信用買いをして逆日歩を取る手法です。小型株の信用売りが極端に多くなった場合、逆日歩が非常に高い水準になるときがあります。300円の株に、1株につき3円の逆日歩がつくこともあります。つまり、この株を1,000株30万円分信用買いを行うことで、1日あたり3,000円もらえることになります。逆日歩が高くなったら、信用買いで逆日歩を取るのも一つの戦略だということを覚えておいてください。

E. デイトレード

本日中に取引した銘柄は、同一資金で買い付けできない「差金決済の禁止」という決まりがあります。デイトレーダーは1日中動いている人気銘柄を何回も売買して利ざやを取りたいのですが、この制度によって不可能になっています。そこで、信用取引を利用すれば、差金決済を気にすることなく、何回も同じ銘柄でデイトレードを行なうことができます。デイトレードを行なうときに使える取引手法だといえるでしょう。

信用取引の概要から、口座開設の方法、実践取引を学んできましたがいかがでしたか。ここで、強調したいのは、信用取引はリターンが大きい分、リスクも大きいということです。信用取引を始める前に正しい知識を学んで、うまく利用していくようにして下さい。




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